VOL.14 日本サステナブル印刷協会
環境配慮型プリント

ℚ.サービスのコンセプトについて、教えてください。

 「環境配慮型プリント」は、印刷物のライフサイクル全体における温室効果ガス(GHG)排出量の「見える化」と「実質ゼロ化」を推進し、カーボンニュートラルの達成を目指す包括的なサービスです。本サービスは大きく2つのアプローチから構成されています。

 1つ目は、製造工程で使用するエネルギーから発生するScope1(自社の直接排出)およびScope2(自社のエネルギー調達による間接排出)のGHG排出量が実質ゼロで稼働していると認定した工場で生産を行う「カーボンゼロエネルギー工場認定制度」です。

 2つ目は、原材料調達から生産、流通、廃棄に至るまでの製品カーボンフットプリント(CFP)を精緻に算定し、その排出全量を、森林吸収系クレジットを用いて相殺する「カーボンニュートラルプリント」サービスです。これらにより実効性の高い環境対応を実現します。

 

ℚ.サービスの特長を教えてください。

 これら2つのサービスの最大の特長は「デザインや紙などの素材を変えることなく利用できる使いやすさ」です。用紙を再生紙等に切り替えたり、デザインも変更したりする必要がないので、これまでのブランドイメージや印刷品質を一切損なわずに、従来の印刷物をそのまま「環境対応商品」へとアップグレードできます。

 印刷物には、Scope1およびScope2を実質ゼロにした工場で生産されたことを示す「カーボンゼロエネルギー」マークや、製品全体のGHG排出量を実質ゼロにした「カーボンニュートラルプリント」マークの表示が可能です。具体的なGHG排出量を記載することもできます。

 これらのマークは環境省の「環境ラベル等データベース」にも登録されており、SDGs(特に7、11、12、13)への貢献や地球温暖化対策への取り組みを視覚的かつ信頼性高く訴求することができます。また、積極的な開示を通じて、ESG・SDGsの観点から他社との差別化や、企業ブランドイメージの大幅な向上に直結する点も大きなメリットです。

ℚ. サービスを実現するために乗り越えた課題を教えてください。

 「環境配慮型プリント」のサービスは、社会全体で脱炭素化への機運が高まりつつあった2021年に開発されました。当時、印刷物の環境対応といえば、再生紙や環境配慮型インキへの切り替え、あるいは大規模な省エネ設備の導入が主流でした。しかし、これらには「デザインや用紙の選択肢が制限される」「莫大な設備投資コストがかかる」といった課題がありました。そこで、「既存のデザインや用紙、印刷工程を一切変えずに環境対応を行える」というコンセプトに至りました。そして、製品のGHG排出量を算定し、カーボン・オフセットを活用する仕組みは、新たな設備投資が不要なため、中小企業の印刷会社でも実践しやすい取り組みとして、印刷業界の課題を解決すべく誕生しました。

ℚ. このサービスはどのような社会課題の解決に寄与すると考えていますか。

 気候変動は人類の生存基盤に関わる最重要課題であり、日本政府も「2050年カーボンニュートラル」宣言や2030年度のGHG排出量46%削減(2013年度比)という高い目標を掲げています。本サービス「環境配慮型プリント」は、印刷物のライフサイクル全体でのGHG排出量を精緻に算定・見える化し、削減・相殺することで、このGHG排出削減という社会的要請に直接的に応えます。さらに、カーボンニュートラル化におけるオフセットには、国が認証するJ-クレジットの「森林吸収系カーボンクレジット」を使用しています。紙を主な材料とする印刷業として、クレジットの活用を通じて日本の森林保全活動を支援し、地球温暖化防止と森林保護という二つの重要な社会課題の解決に同時に貢献しています。

ℚ.今後の展開について教えてください。

 令和7年度(2025年度)から、国等の調達ルールである「グリーン購入法(印刷)」の基準値1に、印刷物にCFPの算定・開示やカーボン・オフセットが導入されました。今後は国の率先調達の波及効果により、民間企業のサプライチェーン要件においても印刷物のGHG排出量ゼロ化が「スタンダード」になっていくと考えられます。

 本サービス「環境配慮型プリント」は、こうした脱炭素社会への移行において、企業の事業継続や競争力強化に不可欠な役割を担います。一般社団法人日本LCA推進機構等の専門機関との連携による、信頼性の高い算定基盤を活かし、印刷発注者の環境対応と企業価値の向上を強力にサポートするとともに、印刷業界全体の環境・脱炭素経営を牽引するモデルとして持続可能な社会の構築へ貢献していきます。

グリーン購入ネットワーク(GPN)から

 印刷物は、発行者の理念や想いを具現化したものと言えます。掲載内容はもちろんのこと、選定する用紙から印刷工程に至るまで、発行者が掲げる「環境配慮」の姿勢を形にする重要な媒体です。
 本サービスは、従来の用紙やインキの選定といった手法に留まらず、企業の脱炭素化への具体的な取り組みを可視化できる点において、環境配慮をより身近なものへと進化させます。これは、グリーン購入法でも重要視されている「カーボン・オフセット」導入の有力な一歩となるはずです。
 素材へのこだわりに加え、今後はGHG(温室効果ガス)排出量を可視化し、製品ライフサイクル全体で削減に取り組む組織がさらに増えていくことを期待しています。

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